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暴走トロッコ問題

3.研修・セミナー 2023.10.13

暴走トロッコの問題を見たり聞いたりしたことはないでしょうか。今日はその思考実験の内容と別パターンの思考実験もあるようなので紹介してみようと思います。

暴走トロッコ問題

暴走トロッコと作業員の思考実験とは

暴走トロッコと作業員の思考実験はイギリスの倫理学者フィリッパ・フットという方が1967年に提示しました。ここでは最もシンプルなものを紹介します。

あなたは線路の切り替えスイッチのそばにいます。
あなたの右方向から石をたくさん積んだトロッコが猛スピードで暴走しています。ブレーキが故障していて異常なスピードです。今から止めることは出来ません。
しかし、線路の切り替えを行えば進行方向を変えることができます。
そのままの線路の先には5人の作業員がいます。トロッコには気づいていないため避けることはできません。このままだとトロッコが突っ込み5人は死んでしまいます。
切り替えた線路の先には1人の作業員がいます。線路を切り替えると5人は助かりますが切り替えた先の1人の作業員が死んでしまいます。あなたは6人とは面識はなく、6人とも何の罪もない人です。
あなたはスイッチを切り替えますか?それともそのままにしますか?

という問題です。5人もいれば誰かは気づく、大声で知らせる、など現実ならさまざまな対策を取るところですが、ここではそういうのは考えないこととします。

暴走トロッコと作業員の思考実験の結果

この実験は85%以上の人がスイッチを切り替えて5人を助ける方を選ぶそうです。全く関係のない6人なので5人死ぬのと1人死ぬのと純粋に数で判断しているということですね。
スイッチを切り替えずに5人を犠牲にする小数派の意見としては、もともとトロッコは5人の方に向かっていたのだから5人が犠牲になる運命にあった。もう1人のほうは進行方向に関係ないのだから巻き込むのは間違っている。とこのように考えるそうです。
またスイッチを操作することで傍観者からこの事故の関係者となってしまうこと。やむをえない状況だとしても自分の手で関係のない人を殺してしまうこと。これらに強い拒否反応を示す人も多いみたいですね。それはそうですよね。

「思考」実験なので、こんなこと言うのは先ほどの大声で知らせる〜のと同じ土俵ではあるのですが、実際に起こり得たとすればスイッチを切り替えられる人は85%もいないと思いました。「自分の手で人を殺す」という意識になってしまうような気がしますね・・・。

暴走トロッコと作業員と太った男

別パターンを紹介します。

ある線路上の橋の上にあなたはいます。橋の下にある線路の上を石をたくさん積んだトロッコが猛スピードで暴走しています。暴走トロッコの先には5人の作業員がいて、このままだと5人の作業員が死んでしまいます。
橋の上には、自分の他にすごく太っていてすごく重たそうなリュックを背負っている男性がいます。トロッコに夢中で橋から身を乗り出しています。この男性を突き落とすことが出来ればトロッコを止められるがこの男性は死んでしまいます。今なら確実にこの男を線路上に落とすことができます。もみ合いにもならないし、すごく身を乗り出しているので小指でも落とせます。
あなたはこの男性を落としますか?それともそのままにしますか?

というパターンです。

暴走トロッコと作業員と太った男の思考実験の結果

この実験では最初のパターンとは多数派意見が入れ替わり、75〜90%もの人が静観し5人が犠牲になる方を選ぶようになるのです。
この思考実験では、最初と犠牲者の数は変わらないですし同じ暴走トロッコと作業員の問題です。前回同様あなたが1人か5人かを選択することが出来る状況にあります。

スイッチを切り替えるか、男を突き落とすか、という違いですよね。
スイッチを切り替えるのも自分の意思だし、男を突き落とすのも自分の意思です。より生々しいかどうかによってこんなにも変わるものかと思って少し面白いなぁと思いました。もちろんこの結果の変わり方は理解できますし、まぁそうなるよなーと思います。
ただこれが男が偶然落下するとなると当然結果は変わってくるんでしょうし、スイッチを踏めば橋に落とし穴ができて男が落下するとなっても結果は変わってくるのでしょう。
結果的には直接自分が触れる~みたいな生々しさを極端に嫌うということですね。結果が同じだとしても。確かに殺人感はとても増えます。
自分の起こした結果により1人が犠牲になる事実は変わらないとしても、間にスイッチがあるかどうかでこんなにも結果が変わってくる。人間の命よりも自分の尊厳、ということなのでしょうか。荒れそうですね、こんなこというと。

このトロッコ問題は正解不正解というのはもちろんありませんし、個人的には実際ならこうするだろ!みたいな思考も面白いし大事だと思います。文章でみた時に「自分ならこうするかなー」と思っても「いや、実際に起こったらこんなこと出来そうにないな・・・」みたいな考えをするのも良いと思います。
世の中答えのある問題ばかりではないですもんね。「人によって違う」を「考える」ことの方が多い気がしています。

さて、全く関係ないのですが、
ラクダの目は三重らしい。
男性スタッフの越智でした。

@余計な一言@
私の目も三重になればもう少しモテますか。

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