両面提示の法則
今日はメリットばかりでは信用できないあの心理についてご紹介しようと思います。ただ、場合によってはメリットばかりの方が効果的になることもあるみたいです。

両面提示の法則とは
両面提示の法則とは、相手を説得したいときに自分の主張に有利な点(長所・メリット)だけでなく、不利な点(短所・デメリット)もあわせて提示した方が、かえって信頼されやすくなるという法則です。これは人は「良いことばかり言われる」とと疑いやすくなり、不利な点も先に認めてしまうと、「正直で誠実な人だ」という印象が強まり、説得力が高まることが原因らしいです。二面提示法とも言います。
例えば商品の宣伝で「この掃除機は軽くてパワフルです!最高です!」というより、「この掃除機は少し値段が高いですが、その分、軽くてパワフルで長持ちします。」と言った方が信頼してみようという気持ちになりやすい、ということです。
両面提示の法則に関する研究
1. ホヴランドらの説得研究(Yale Communication Research, 1940年代〜1950年代)
・実験内容
第二次世界大戦中のアメリカで、兵士に対する心理戦・教育プログラムの一環として行われた。「戦争継続の必要性」や「同盟国への支援」などを訴えるメッセージを、一面的提示(長所だけ) と 両面的提示(長所+短所) に分けて提示。
・実験結果
受け手が教育レベル高い/批判的に考える兵士 → 両面的提示のほうが説得力が強い。
受け手が 教育レベル低い/知識が少ない兵士 → 一面的提示のほうが効果的。
これにより、受け手の「理解力」や「背景知識」によって、どちらの提示が有効かが変わるということが示されました。
2. インクリメンタル vs. レフテーション型(二面提示の違い)
Allen (1991) のメタ分析によって、二面提示には2種類あることが示されました。
1.非反駁型二面提示(non-refutational two-sided message)
→ メリットとデメリットを並列して述べるだけ(例:値段は高いが性能は良い)
2.反駁型二面提示(refutational two-sided message)
→ デメリットを述べた後、それを打ち消す形でメリットを強調(例:値段は高いが、長期的に見ればコストは安くつきます)
調査・分析を続けていくことで、反駁型二面提示の方が、説得効果が高いことが分かったようです。
3. Peck & Anderson (1973)による消費者行動の研究
商品広告において、デメリットを含める広告は消費者から「誠実さ」「信頼性がある」と評価されやすいことが分かりました。さらに特に「高額商品」や「長期利用商品(車・家電など)」では効果大きかったようです。
現代マーケティングでも「欠点を先に言うことで信頼を勝ち取る」テクニックが使われることが多いです。また、レビューでも「悪い点と良い点を両方挙げているレビュー」の方が信用されやすいことが分かっています。
終わりに
この両面提示は教育でも使われていて、生徒に科学的知識を教えるとき誤解や反論になりそうな考えを「両面的に」扱い、それを打ち消す説明をするとより理解が深まるそうです。また、政治コミュニケーションでも有権者がすでに知識を持っている場合、両面的提示が信頼されやすい一方で、無関心層には一面的提示の方が響きやすいということを利用しているそうです。
個人的には知識のあるなしで両面か一面か、効果が変わることが面白いですね。私自身、知識がないものを購入するための下調べの際、確かに一面提示に惹かれやすい気がするなと。その反面、興味がある分野の買い物では両面提示を意識するなと。気が向いたらなぜなのか踏み込んでみようと思います。
さて、全く関係ないのですが、
物語のキャラクター作りにも、弱点や短所をあえて与えることで説得力や魅力を狙っているらしい。
男性スタッフの越智でした。
@余計な一言@
ねこに短所が存在しないのは、全方面的に長所となりうるからだ。
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