習慣化と負荷設定
今日は習慣化とそれに対してどのくらいの負荷を設定すればよいか、について面白い研究を見つけたので紹介してみようと思います。
習慣化出来たら人間大体最強になれるはず。

習慣化(実行意図と行動定着)の研究について-Gollwitzer(1999)
・研究背景
多くの人は「やろう」と思っても行動に移せないことが多い。
そこでPeter Gollwitzerは「Implementation Intention(実行意図)」という心理学的戦略を提案。
実行意図は「もし○○の状況になったら、△△する」というif–then形式の具体的計画。
・実験方法
大学生を2グループに分ける。
実行意図ありグループ:「○月○日の何時に、どこで、この課題をやる」と事前に書く。
実行意図なしグループ:単に「やるように」と指示。
課題は、レポート提出・試験勉強・予防接種受診など複数パターンで実施。
・実験結果
実行意図ありグループは、行動実行率が2倍以上に上昇。
特にやる気(内発的動機)が高くない人ほど効果が大きい。
実行意図は、行動の「きっかけ認知」を自動化し、迷いを減らす効果がある。
つまり、勉強習慣を作るときは「夕食後に机に座って30分数学を解く」のように時間・場所・行動を明確化すると実行率が上がる。学習の初期段階で特に有効。
認知負荷理論の検証について-Sweller(1988)
・研究背景
人間のワーキングメモリ容量は限られている(7±2要素が古典的指標)。
学習がうまく進まないのは「認知負荷(Cognitive Load)」が大きすぎる場合が多い。
John Swellerは「教材の提示方法で負荷をコントロールできる」と提案。
・実験方法
被験者:高校生・大学生など。
学習課題:幾何学の証明問題や数学パズル
→完全手順提示条件(Worked Example)
解法を全ステップ付きで提示し、その後類似問題を解かせる。
→探索条件(Problem Solving)
問題だけを与え、解法を自分で考えさせる。
それぞれの学習時間・正答率・負荷感(自己報告)を測定。
・実験結果
初学者にとっては完全手順提示条件の方が学習効率(得点/時間)が高い。
認知負荷は、完全手順提示条件の方が有意に低い。
ただし熟達者には逆効果になりやすく、適度な挑戦(探索)が必要。
つまり、
初心者:負荷を下げる → 手順付き例題やガイドが有効。
中上級者:負荷を上げる → 自力解法・応用問題に移行。
習慣化と負荷調整のプラン
上記の2つの実験内容から1〜2か月分の「習慣化 × 負荷調整」勉強プラン」の例です。
全体方針
最初の2〜3週間は「実行意図」で勉強開始を自動化し、負荷を低めに設定(例題中心)。
3〜4週目以降は徐々にガイド(解答例)を外し、負荷を上げる。
習慣形成のため、勉強時間・場所・行動を固定(時間は25分単位で設計)。
1〜2か月プラン例
・Week 1〜2:習慣開始+低負荷フェーズ
実行意図:平日19:30〜19:55、自室の机で、参考書の例題を1ページ解く
教材設定(低負荷):全て解法つき例題
1セット25分で、例題解説を見ながら自分で解き → 類題1問だけ解く
目的:「決まった時間・場所で始める」ことを脳に刷り込む。成功体験を積み、習慣の自動性を高める
・Week 3〜4:中負荷フェーズ
実行意図:平日19:30〜19:55、自室の机で、解法つき問題1問+自力問題2問を解く
教材設定:例題の手順を部分的に削除(ヒントだけ残す)。自力解法の比率を増やす。
目的:ワーキングメモリを少し負荷状態にして、理解を定着。習慣が定着し始める時期なので、学習の量より質を重視。
・Week 5〜6:高負荷フェーズ
実行意図:平日19:30〜20:00、自室の机で、自力で3問解く(例題参照なし)。
教材設定:実戦形式の問題集。間違えたら翌日に再挑戦。
目的:認知負荷を高くして応用力を鍛える。習慣はほぼ自動化されているため、負荷を上げても中断しにくい。
〇補助ルール
・土日は「復習+弱点補強の日」:過去2週間分の間違いだけやり直す
・習慣トラッキング:カレンダーに○×を記録(行動の可視化で継続率UP)
・負荷の微調整:疲れすぎた日は低負荷日に戻す(挫折防止)
終わりに
具体的な勉強方法まで踏み込んでお話してみました。がっつり試験勉強、というようなスケジュールではないですが、あくまで習慣化の一例として。仮に毎日30分とあるカテゴリーの勉強を始めてみると1年後にはものすごい知識量になっていると思います。例えばTOEICやってみたいけどハードルが高いなぁって人はとりあえず2カ月ほど英文法から始めてみるとか。2週間毎日30分で基本文法を網羅するのは少し難しい気もしますが、1年もやってしまえば文法はすごいことになりそうな気もします。私は1nmもTOEICを存じ上げないので分からないです。
勉強じゃないにしても参考になれば幸いです。
さて、全く関係ないのですが、
環境の力は意志力より強いらしい。
男性スタッフの越智でした。
@余計な一言@
お菓子を机から2m離すだけで、摂取量が大きく減るらしい。
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