観察学習
真似をして学習することを観察学習というそうですが、今日はそのお話をしてみようと思います。指導係的な立場になったときに教えたことを真似するように取り組んでみてもらうと思いますが、そんなお話です。
観察学習とは
心理学者アルバート・バンドゥーラによって提唱された、他者の行動を観察しそれを模倣することで新しい行動を学ぶプロセスのことです。バンドゥーラの研究によると、人は直接の経験や試行錯誤を通じて学ぶだけでなく、他者の行動を見て学習することができます。これは特に子どもの発達、教育、メディアの影響などに関係する重要な理論とされているようです。
観察学習の4つのプロセス
バンドゥーラは、観察学習には次の4つの段階があるとしています。
・注意（Attention）
観察者が学ぶ対象の人に注意を向ける必要がある。
興味を引くものや、尊敬される人物（親、教師、有名人など）は注目されやすい。
・保持（Retention）
観察した行動を記憶し、必要なときに再現できるようにする。
言語やイメージを使って記憶に留めることが重要。
・再生（Reproduction）
記憶した行動を実際に再現できるようにする。
身体的能力やスキルの練習が必要な場合もある（例: スポーツ、ダンスなど）。
・動機づけ（Motivation）
学んだ行動を実際に行うかどうかは、報酬や罰、社会的な影響に左右される。
他者が報酬を得ると同じ行動を取りたくなり、他者が罰を受けると行動を控えるようになる。
この4つの段階を経て、他者の行動から学習を得るとのことです。
観察学習の例
- 子どもの行動
・親の行動を真似る
親が礼儀正しく振る舞うと、子どももそれを模倣する。
・兄や姉の行動を学ぶ
兄が勉強しているのを見て、弟も勉強をするようになる。 - 教育
・教師の模範を学ぶ
先生が問題解決の方法を示すと、生徒もその方法を使うようになる。
・クラスメートの行動を真似る
友達が積極的に手を挙げると、自分も発言しようとする。 - メディアの影響
・テレビ・映画の影響
暴力的なシーンを見た子どもが、攻撃的な行動をとる可能性がある。
・SNSの影響
インフルエンサーが使っている商品を購入したくなる。
観察学習の応用
観察学習は、さまざまな分野で応用されているらしいです。
- 教育
教師や親が良いモデルとなることで、子どもに望ましい行動を教えることができる。
グループ学習やペアワークを取り入れ、互いに学び合う環境を作る。 - 企業・職場
先輩社員の仕事のやり方を観察し、後輩が学ぶ「OJT（On-the-Job Training）」に活用される。
リーダーシップやマネジメントのスキルも、上司を見て学ぶことが多い。 - メディアと社会
テレビやSNSの影響を考え、暴力的なコンテンツの規制を検討する。
社会的なキャンペーンを通じて、人々の行動を変える。
終わりに
学ぶの語源は真似る、だと言われていますが、まさにそれですね。メディアと社会にある影響を考えてコンテンツの規制は最近加速しているような気がしますね。個人的にいい面もあれば悪い面もあるような気はします。
教える側に立つタイミングでは、4つのプロセスを上手く通らないと相手の学習には至りにくいということだと思います。個人的には保持・再生をどう経験させるかが難しく感じます。一方的に指示するだけでは、どうも伝わっていないことが多い。保持・再生をどのように経て成功体験を積ませ動機付けに繋げるか、難しく感じる日々です。
さて、全く関係ないのですが、
くしゃみをするとき無意識で目を閉じるのは、目を開けたままくしゃみをすると眼球が飛び出る可能性があるかららしい。
男性スタッフの越智でした。
＠余計な一言＠
眼球出ちゃう・・・？
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