自己成就予言

今日は信じる者は救われる的なお話をしてみようと思います。本当に信じることで行動言動に影響をされることを、「自己成就予言」というそうです。

自己成就予言とは

心理学者ロバート・マートンによって提唱され、ある予言や信念がそれ自体の影響によって現実のものとなる現象を指します。教育やビジネス、日常生活などさまざまな場面で確認できます。人がある出来事が起こると信じることで、その信念が行動や態度に影響を与え、結果的にその予言が実現することを指します。
例えば、ポジティブな自己成就予言だと、先生が「この生徒は優秀だ」と信じると、その生徒に対して期待を持ち、積極的に指導するようになります。すると、生徒も自信を持ち、学習意欲が高まり、実際に成績が向上するということがあります。
ネガティブな自己成就予言だと、ある人が「自分は失敗するに違いない」と思い込むと、不安や緊張から本来の力を発揮できず、本当に失敗してしまうということがあります。

自己成就予言の実験

1.心理学者 ロバート・ローゼンタールとレノア・ジャコブソンの実験
教師の期待が生徒の成績に影響を与えるかどうかを調べるために、アメリカの小学校で以下の実験を行いました。

<実験内容>
小学校の生徒にIQテストを実施。
ランダムに選んだ生徒を「知能が急成長する可能性が高い」と教師に伝える。
実際には、選ばれた生徒のIQは他の生徒と変わらなかった。
数か月後に再びIQテストを実施。

<実験結果>
「知能が伸びる」と教師に期待された生徒は、他の生徒よりも大きく成績が向上しました。
教師が無意識に彼らに対して前向きな態度を取り、より熱心に指導したためと考えられているそうです。
教師の期待が生徒の成績向上を引き起こすことで、無意識のうちに行動や態度に影響を与え、それが現実を変えたということのようです。

2.心理学者 クロード・スティールとジョシュア・アロンソンの実験
ネガティブな先入観が成績に影響を与えるかどうかを調べる実験を行いました。

<実験内容>
大学生を対象に、知能テストを実施。
グループを2つに分けてテストを受けさせる：
グループA：「これは知能を測るテストです」と説明。
グループB：「単なる問題解決の課題です」と説明（知能とは関係ないと伝えた）。
両グループの成績を比較。

<実験結果>
「知能テスト」と説明されたグループAでは、成績が低下しました。
「単なる問題解決」と伝えられたグループBでは、同じ水準でした。
ネガティブなステレオタイプが無意識にプレッシャーを生み、パフォーマンスを低下させた、ということらしい。「自分はダメかもしれない」という思い込みが、実際の結果を悪化させたということみたいです。

最後に実験ではないですが、旧ナショナル銀行の事例です。
自己成就予言が経済的な状況にも影響を与えることを指摘しました。

<実験内容>
ある銀行について「倒産の噂」が流れる。
人々がパニックになり、大量の預金を引き出す（取り付け騒ぎ）。

<実験結果>
本来は健全だった銀行が、資金不足で実際に倒産。
「倒産するかも」という予言が、実際の倒産を引き起こした。
経済や市場の動きも、自己成就予言の影響を受けるということのようです。

終わりに

人の期待が対象の行動や能力に影響を与え、それにはポジティブもネガティブもあまり関係が無さそうですね。銀行倒産の例は、コロナ禍の買占めを彷彿とさせます。根拠があってそうなるのは分かりやすいですが、根拠がなくともそうなってしまうのも想像できます。難しいですね。正しい情報を取得しましょう、ということでしょうか。
ただ、成績の実験を見てもそうですが、「教える立場が信じること」が如何に大切か、ということが分かります。信じる者は救われますね。

さて、全く関係ないのですが、
月の土地は2700円から購入可能らしい。
男性スタッフの越智でした。

＠余計な一言＠
月はだれのものなんだ・・・？

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